というわけで昨日はMacが使えなかったので、MONSTERのアニメ(原作:浦沢直樹)をようやく見ておりました。
(遅くなってすみません>かるめんさん あ、なんか肝心の(ヨハンとテンマが再会する)Vol.2、ディスクを認識しませんでした。なんでだろう??うちのDVDレコーダーの調子が悪いのでしょうか)
で。
ちょっと感動しておりますよ!(まだ途中なんですが)
まずアニメの方は、原作にとても忠実だということ。いや忠実なのはわかってたんですが、どうしてそう感じるかって、マンガのコマの間を動画で埋めるように描いてるからだ、ということがわかりました。アニメ原作だと、こういうことが普通なのでしょうか。あまりアニメを見ないのでわからないのですが。
それよりそれより!改めてすばらしいなと思ったのは、特に決めぜりふがあるわけでなく、エピソードだけで言いたいことをつむいでいくすごさ。
以下うまく説明できないんですが書いてみる。
自分が手術によって命を救った青年(命を救った当時少年)がとんでもないモンスターだということがわかり、ドクター・テンマは病院の外科部長の職を辞して彼を殺そうと後を追うのですが、まず銃の扱いを習おうと、輝かしい戦歴を持つ元傭兵の元でトレーニングを積みます。
その5ヶ月後、元傭兵が警察に呼ばれて、テンマ(連続殺人事件の容疑者になっている)のことについて聴取されます。回想シーンで構成されるこの話がまあすばらしく。
テンマのトレーニングを傍らで見守る(見張る)少女がいました。少女は元傭兵の元に来てこのかた、笑ったことがありません。その少女は、元傭兵がミャンマーで殺した女性の子供でした。相手を撃たなければ自分が撃たれるという状況の中、少女の目の前で母親を撃ち殺した、だから自分が少女を連れてきたのだが、彼女はずっとおれを恨んで生きるだろう、とその元傭兵はテンマに語ります。
ある日、テンマはお世話になっているお礼にと、日本の肉じゃがを作りました。ご丁寧に木を削って箸まで作って。少女は上手に箸を使うのですが、元傭兵はうまく使えずじゃがいもをころころ取り落としてしまいます。強面の男がじゃがいもを前に悪戦苦闘する姿を見て、テンマは思わず吹き出してしまうのでした。
テンマは、いつのまにか二人の前から姿を消しました。食べてください、と肉じゃがをおいて。その晩、やはり肉じゃがを取り落として悪態を付く元傭兵を見て、少女がとうとう笑い出しました。笑った少女を見て、驚く元傭兵。
テンマの行方について刑事に尋ねられた元傭兵は、それは言えない、と言います。
警察から出てきた彼を、雨の中迎える少女。傘の中から少女の顔がニッコリと覗きました。それを見て目に涙を浮かべる元傭兵。
差し出された少女の手に自分の手を重ね、二人手をつないで家路につく、その後ろ姿。
それで、「それ(テンマの行方)は言えない」っていうのが、多分、知っていても知らなくても、「言えない」んだろうな、とわかるわけです。それはテンマに対する感謝なのか、友情なのか、信頼なのか。
他にも、人を殺して犯罪者になってしまった息子に会いに来た夫婦が、最後に「息子は罪を犯したが、悪い人間じゃない、さあ、私たちの息子に会いに行こう」と迷いを絶って拘置所?に入っていくところとか…
本当にまあいろんな人が出てくるんですが、最後にはみんな(ヨハンさえも)許されてるんですよね。
最近、極刑に処されるような罪を犯した人っていうのは、(精神的に)どう救われるものなんだろう、とふと思ったことがあって。最後には、見返りを求めない〜裏切られたとしても失望すらないよーなある意味奇跡的な(!)信頼関係しかないんじゃないかと思ってたりしまして。その中でも「血のつながり」は、その関係において最初から約束された問答無用な関係なわけで、例えば親なり子なり、もしくはそれに類する信頼関係を持つ人間が、最後の最後までその人本来の人間的な部分(があること)を信じることでしか、氷解させることはできないんじゃないかなとかとか…いろいろ思うところがあったので、余計この作品の深みにはまってしまいまっているのでした。
(Blood+もこれとよく似た作りだったんだろうと思うんですが、伝わってこなかったのが残念でした。余談ですが)
なんだろう、別にすごいいいセリフがあるとか、そういうんじゃないんですよね…。言葉にならない気持ちとか情を伝えられるっていうのは、すごい感性だなあと思うわけです。こういう話描けるなんて、あこがれるなあ…と思うんですが…いかんせん感性がない(TT
しかし、ほんとに映画化するんでしょうかハリウッド。2〜3時間におさめきれるのか??
それより、前から言ってますがやっぱりテンマ役は日本人でやってほしい…。英語使える日本人俳優が少ないのが問題?
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