ストーリー

第12回 発進準備完了!地球へ向けて出発だ!!

みんなをブリッジに呼ぶスコット。
無事ベルウィックを脱出できたわけだが、このステーションもいつ敵に発見されるかわからない。準備が整い次第、すぐにジェイナスでここを発ちたい、目的地は、もちろん地球だ。
スコットの言葉に、歓声を上げる子供達。

スコットは、全員にジェイナスのクルーとしての役割を分担した。
メインオペレーターA班に、バーツ・クレア・フレッド・ペンチ。バーツは武器管制。クレアは航海データの計算・分析。フレッドとペンチはクレアの補佐。
A班と交代・協力するB班に、ロディ・マキ・シャロン・カチュア。
ケンツはRVを含む武器関係を担当。ただし、平時は格納庫の保安点検係。
ジミー・マルロ・ルチーナは随時みんなの手伝い・さしあたって艦内の在庫調べ・ベルウィックからの荷物を管理する係。
指揮官は最年長のスコット。
ケイトさんは、それぞれのオブザーバーとする。

地球に向かう役割分担は決まったが、その前に問題があった。ジェイナスの前に大きな鉄骨がぶらさがっていたのだ。

バーツとロディ・マキが撤去に向かう。
その他の者も、自分の仕事を開始した。ケンツは武器庫に向かい、ジミーは荷物の片付けに、ルチーナとマルロを伴って(というかやる気満々の彼らに引っ張られて)行った。
残った者は、航路設定と発進準備のリハーサル。スコットから渡された分厚いマニュアルを見て、シャロンが閉口する。
マニュアルを暗記している時間的余裕はなかった。マニュアルを見ながらすぐ作業に取りかかり始める皆。

航路設定をしているクレアにスコットが提案した。目標を直接「地球」とするのではなく、今よりもっと高い軌道に一旦乗せておいた方がいい、と言う。宇宙での失敗は許されない。進行方向0.01度のズレが、1光年行く毎に、17億キロのズレになる。宇宙での失敗はすぐ死につながる、ということを、スコットは皆に、重ねて言うのだった。
しかし、航路設定条件をインプットするためのメインコンピュータへの限定質問において、驚くべき回答が出た。現在のクルー14名は技術的に未熟・人員不足のため、出向は極めて困難、と言うのだ。カチュアが向かっているコンソールでも同様の質問を行ってみるが、結果は同じだった。このままでは出発できない。愕然とするスコット達。艦内チェックを終えて帰ってきたケイトも話を聞き驚く。重苦しい空気に包まれるブリッジ。

ジェイナスの船外でも撤去作業は難航していた。スコットと相談するため一度引き返すロディたち3人。

そのころ、ブリッジではカチュアがコンピュータに質問を繰り返していた。すっかり絶望的になっているスコットが自棄になって、無駄だ、とカチュアに言う。カチュアはスコットを一瞥し、再度質問を投げかけた。ただし、今度の質問の方法は少し異なっていた。現在のクルーのままで、不足分を補う方法はあるかを、逆に尋ねたのだ。
すると、コンピュータは三通りの答えを出してきた。
・外部からのコントロール方法を取る
・現クルーを、180日間教育
・クルー不足分をサブコンピュータに代行させる
皆の顔に希望が戻った。カチュアのお手柄よ、とクレア。
ついさっきまで悲嘆に暮れていたスコットが生き返ったように、航行軌道の選択と出発時間算出を指示。
そういえばジェイナスのコンピュータのレベルはそれまで、専門クルー21名が乗り込んだ状態に合わせてあった。そこに14名の子供達で航行できるかを聞かれたわけだ、きっとコンピュータも驚いただろう、そう言って、ケイトとスコットは笑った。

荷物を整理しているジミー・マルロ・ルチーナ。ジミーの所有物であるトカゲの剥製を見て、ルチーナが泣き出してしまった。小さい子の目の届かないところに移動するしかない、と思ったジミーは、先日カチュアと行った、遺跡のあるドッキングカーゴを思い出した。

ドッキングカーゴに入ると、遺跡の周囲に、先日はなかった緑色の物体が拡がっていた。

一難去ってまた一難、ジェイナスの前に立ちふさがっている鉄骨をどう撤去するかで、スコットは頭を悩ませていた。そこに戻ってきたジミーは遺跡の変化を伝えようと、スコットに話しかけようとするが、なかなか聞いてもらえない。バーツにまでコワイ顔で睨まれ、思わず逃げ出すジミー。
鉄骨の除去はRVを使うことに決まったらしい。ロディたちは慌ただしくブリッジを出て行った。

マルロやルチーナの荷物整理を手伝っていたケイト。カチュアがステーションから持ってきたママのスーツケースを落としてしまった。はずみでフタが開き、中身がばさばさと出てきた。その中に、遺跡の写真があるのを発見した。驚くケイト。その写真は、遺跡の周囲だけに緑が生えている不思議な光景を映し出していた。急いで部屋に戻ったケイトは、クレーク博士の残した資料とその写真を照らし合わせ、同一のものだと確信。
ちょうどそこに現れたジミー。
その直後、遺跡の元へ走るケイト。

遺跡の周囲に生えたものは、苔だった。中を開けると、遺跡の周囲から水蒸気が噴き出した。遺跡の入ったカゴの中まで、苔がびっしり生えている。
この遺跡には、植物の生命力を促進させる能力があるのかもしれない、しかし。
伝染病の元になる可能性もある。
このことは誰にも言わないように、そしてここには誰も入らないように、とジミーに言うケイト。

ジェイナス出発まで2時間16分26秒。
ロディはバイファムで鉄骨の除去作業を行っていた。マキが鉄骨とバイファムをワイヤでつなぎ止める。
鉄骨を引っ張り始めたバイファム。下からバーツのネオファムが鉄骨を押し上げる。
出力が最大になった瞬間、鉄骨が根本から折れた。歓声を上げたブリッジだったが、その瞬間スコットの顔色が変わった。引っ張る力の慣性で、バイファムがものすごい勢いで鉄骨ごと宇宙空間に放り出されてしまったのだ。
反転して逆噴射だ、叫ぶスコット。なんとか体勢を持ち直した、と思ったら、今度は後ろから追ってきた鉄骨にワイヤで引っ張られてしまった。鉄骨を繋いでいるワイヤをやっとのことで取り外し、なんとか宇宙の果てまで飛ばされる事態は回避された。胸をなで下ろす皆。

いよいよジェイナス出航。
コースが自動修正範囲であるとコンピュータから告げられると、ブリッジには子供達の歓声が響いた。
地球歴2059年1月13日19時24分、ベルウィック第二ステーションより発進。

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この回のDORA感想はこちら→ANIMAX-バイファム12話

     

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