ストーリー

第8話 高ゲタ作戦!?小さな戦士の出撃だ!

洗濯物を干しているシャロン。お気に入りのいちごのパンツを、ルチーナとマルロにまで「赤ちゃんみたい」と言われている。汚い手で触るな、とマルロをはたいたら泣き出されてしまい「いちごが泣くぜ」

シミュレーターでロディとバーツはRVの操縦訓練をしていた。その様子を指をくわえて眺めているケンツとフレッド。やらせてよ、と食い下がる二人にロディとバーツは諦めるように言うのだが、その場を離れようとしない。

管制室にケイトが入ってきた。レーダーの監視をしていたクレアとスコットに、交代するというケイト。クレアは食事の準備のため出て行ったが、スコットは生真面目にそのまま続ける、という。

シミュレータを触らせてもらえないケンツはまだ悪態をついていた。足が届けばいいんだろ、とフレッドは何かを思いついたらしく、ケンツを伴って格納庫へ。

クレアとマキは食事の準備中。ペンチが食事をテーブルへ運んでいる。気の早いジミーは、食事が前に出されると、ナイフをフォークを彼に似合わぬ素早さで取り上げた。それを見て、まだよ、とペンチはジミーを諭したが、ジミーは歯を光らせてもはや臨戦態勢だった。

格納庫ではケンツがRVの操縦席に乗り込み臨戦態勢(ごっこ)。フレッドがケンツの足の長さを補うべく高ゲタの設計に取りかかっている。見つかったらやばいんじゃないの、と一応気にするケンツに、見つかったら見つかったときのこと、と、兄譲りの気の強さを見せるフレッド。

今だシミュレーターに張り付いているロディとバーツの二人。ロディがバーツのレコードを塗り替えたところで一休み。あいつら(フレッドとケンツ)怒ってるかなあ、とバーツは心配するが、年上の人間が役割を決めてやらないと混乱するだけだ、とロディは言う。

格納庫にシャロンがやってきた。女の子なのに(一応)上手に溶接をしてしまうシャロンにフレッドが感心する。おじさんがジャンク屋で、そこの2階に住んでいた使用人に教わったのだと言う。

そこにやってきたペンチに呼ばれ急いで食事の席につく三人。いざ食事をはじめようと号令をかけたスコットが、目の前の何かに気付いた。ジミーの食事は既に空になってしまっていた…。思わず笑ってしまうスコット。
シミュレータでの練習の話をするバーツ。それを聞いてケンツとフレッドとシャロンがこそこそ。それに気付いたバーツが、3人つるんで何こそこそ言ってるんだ?と不意を襲う。ロディが、フレッドの顔に油が付いてる、と見とがめる。慌てる3人。食事の席もそこそこに、格納庫へ向かった。
何かあるな、と思っているバーツ。

管制室のケイトにロディが食事を持ってきた。ケイトは石板の資料を作成していた。天然組成の岩石ではない…明らかな目的のために、他の惑星から持ち込まれたものである…。
そのケイトを思わず見つめてしまうロディ。
ケイトはロディに、石板のことについて話した。地球の科学力では正体がつかめない、異星人の科学力は地球以上かもしれない、と。

格納庫では、高ゲタができあがったらしく、ケンツが操縦席に乗って試していた。しかし踏み込んだとたん、フレームが折れてしまった。そこにバーツが来た。自分の仕事はちゃんとした、余った時間でやっている、と懸命に主張するフレッド。
フレームの補強をしなきゃだめだな、とバーツの口からは意外な答えが返ってきて、喜ぶ3人。

管制室では、レーダーが敵機の存在を告げた。ディルファムで出撃する、というロディを、どのみち見つかったら勝ち目はない、やりすごせるに超したことはない、と止めるケイト。
画面を見つめるうちに、敵機の進路はアゾレックからそれていった。

格納庫ではバーツが高ゲタの補強をしていた。バーツは、ケンツやフレッドの気持ちを汲んだのだ。
取り付けた高ゲタでとうとうディルファムを動かしたケンツ。それに気付いたロディが格納庫に走る。やめさせろ、というロディに、バーツはすぐに従った。ケンツのディルファムを止めさせる。
なぜ止めなかった、とバーツに問いただすロディを、フレッドが非難する。フレッドの言うことも聞かず、その場からフレッドを強引に連れ出してしまうロディ。

納得いかないフレッドは、皆が寝静まった夜中、寝室を抜け出してディルファムを動かしていた。ぼくだってできるんだ!と思いながら。

管制室のケイトを気遣って、ロディはコーヒーを届けにやってきていた。そこに敵機接近の警告が入る。ディルファムで出撃するためにロディは格納庫へ向かった。ケイトは館内放送で皆に敵接近を伝える。
敵接近の報をディルファムの中で聞いたフレッドは仰天し、機体の動きを止めようとしたが、勢い余って高ゲタを踏み抜き壊してしまった。足が抜けずペダルが踏み込んだままになり、暴走し出すディルファム。格納庫の壁を突き破って、敵が接近しつつある屋外へ飛び出していく。
その様子を目撃したバーツとロディは、急ぎディルファムで後を追った。スロットルを切れ、とロディが無線で指示をするが、できない、とフレッドは叫ぶばかりだった。

管制室のケイトが、あと60秒で敵が基地の上空へ来る、と伝える。
足を狙い撃ちするなどしたら、フレッドは止められても敵には見つかってしまう。敵が素通りしてくれるのにこしたことはないのだ。
このまま行ったら地下倉庫のフィルターに落ちてしまう、というところで、ロディが方法を思いついた。背中のバーニアを噴射し、フレッドの乗ったディルファムに飛びついてタックル。フィルター寸前の物陰に二機が倒れ込み、バーツも後に続く。すかさずバーツが、イグニッションを切るよう二人に連絡。その直後、敵が上空を通過。やりすごせるか。

ディルファムの足下が崩れ、地面がかすかな物音をたてた。それに反応し敵機の動きが止まる。息をこらす3人。フレッドはあまりの恐ろしさに、今にも泣き出しそうに震えている。
アゾレック基地内にいる仲間達も、息をころして夜空に浮かぶ敵機を見つめていた。泣き出しそうになるルチーナを押しとどめるクレア。
敵機はまだ様子を探るかのようにモノアイを赤く点滅させ、その場に制止している。

しばらくの後、敵機は不気味な機械音をたてながら、基地上空から飛び去っていった。

フレッドは泣きながらロディに謝った。いいさ、もういい、と許すロディ。厳しいことを言っていたが、ロディもフレッドの気持ちをわかっていたのだ。
そんな二人を見るバーツの前を、ベルウィックの蛍が横切った。一週間しか生きられないんだって、知ってたか?と言うバーツに、いや知らない、と答えるロディ。

ベルウィックの日の出を見つめる3人。

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ケンツに参謀役(フレッド)と技術者(シャロン)が付いたらこうなる、と(笑)
あれだけ悪態を付いていたケンツが、高下駄を作り始めたフレッドに、「見つかるとやばいんじゃないか?」と言ったところはよかった。いざ実現するとなると、周りのことが見えてくるようで。

この件に関してバーツは大人だった。言下に否定することはく、下の子達の言い分をよく聞くところは、自分がやんちゃだったバーツならでは。
対して厳しいロディ。RVを操縦することの意味を、ロディはちゃんとわかっている。
まだ実戦を経験していないとはいえ、ロディやバーツの練習が、決して遊びの延長ではない、ということのわかるエピソード。
参照:ミューラァlog/SPS-V: ANIMAX-バイファム8話・9話

     

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