架空の物語の設定とはいえ、1983年当時は近未来をこのように予測していたのかと思うと興味深い。「ドイツ再統一」「EC統合」など。
余談ですが、このサイトのアイドルであるシド・ミューラァが生まれたのは2035年ということになっています。23歳に見えないー少佐という階級には無理があるー、は今は置いといて(笑)、ミューラァの生い立ちには、なぜか二つの設定が存在します。
本編40話でサライダ博士がロディに明かした、「父親は彼が生まれる前に地球軍の襲撃によって亡くなった」「母親は彼が物心つくかつかないかの時に、軍によって強制連行されそのまま戻ってこなかった」説。
もう一つは、みのり書房発刊「VIFAM PERFECT MEMORY」に見られる、「二歳のとき反地球人感情が高まり母親は市民の手によって犠牲に」「父親(ココス・グァバ)は、クレアド星第二次調査隊の一員としてクレアド星に向かい、地球軍の襲撃を受けて死亡(ミューラァ14歳の時)」説。そして、ミューラァが軍に入った理由については、「ククトニアンとして認められるため」「父親の仇をうつため」としています。
どうして本編と矛盾する後者の説が出回っているのかは謎ですが、本編の方でサライダ博士がああ語っていることもあり、前者を正しい方、とみなします。
「反地球人感情が高まり」「母親(エリナ・カーブ)が軍に強制連行された」のは、ベルウィックを失った2040年前後かと思われます。とすると5歳前後でミューラァは孤児になっている計算に。
強制連行にたまたま居合わせたとかでなければ、サライダ博士が即ミューラァを引き取るというのは考えにくく、一旦は当局によって施設か何か(孤児院とか?)に入れられたのではなかろうかと推測します。普通に考えればククトニアンである父親の親戚にでも預けられそうなものですが、地球人の血を引くミューラァを引き取ることをいやがったか、地球人の嫁さんをもらった時点もしくは父親が亡くなった時点で親戚と疎遠になっていたか元々親戚がいなかったか。
もしかしたら夫のいなくなったミューラァの母親を、サライダ博士が5年間支援していたのかもしれません。
とにかく、サライダ博士がミューラァの前に現れ、彼を引き取った、と。そしてサライダ博士とミューラァとの間に一体何があったのかは、バイファム13の「チェンバー夫妻とその息子(アラン・チェンバー)」のエピソードにヒントがあると思われます……。