第7話 孤立した14人!異星人飛行物体来襲!
博士を捜していたケイトさんたちがアゾレック基地に帰ってきた。
食事をしながら、今後のことを話している子供たち。
やはりクレーク博士は亡くなったのか、というスコットに、遺体はひとつもなかったから、その判断は尚早だとロディとバーツ。
地下基地にいた地球軍は無線封鎖をしているため、連絡は取れない状態だ。でもとりあえず軍隊がいるから安心だ、というケンツ。きてくれりゃあな、と鋭いことをシャロンが言う。
食事の場に来ないケイトを心配して、マキとクレアが様子を見に行くと言い出した。そっとしておいたほうがいい、というロディとバーツに、だからこそ放っておけない、と女性陣は部屋を出る。
司令部からの連絡待ちだな、とスコットが先ほどの話を続けた。そうものんびりしていられない、というバーツに同調し、ここだっていつやられるか、というケンツ。その言葉に、皆が緊張する。
その前に司令部が手を打つさ、とスコットは言うが、バルチカンですでに軍に対する信頼を失いかけているバーツは疑心暗鬼。とにかく腹をくくっておいたほうがいい、とロディ。ロディは、軍が言う「あとで連絡する」の言葉が引っかかるらしい。今はそれを信じて待つしかない、他にどうすればいいというんだ、という言い分のスコット。
ケンツがくっそ〜と一声言って席を立ち、万一に備えて武器の点検!と楽しそうに?部屋を飛び出していった。それを見て、賢明だな、とバーツ。一方、連絡はきっと来る、と、殆ど祈るような思いのスコット。
ただ一人、真っ暗な管制室で泣いていたケイトは、食事を告げに来たマキとクレアに、クレーク博士のことを話し始めた。クレーク博士を女として博士を愛していたようなの、と。そして、博士が亡くなってはじめて自分の本当の気持ちがわかるなんて、と泣き崩れた。ケイトを励まそうと、絶望と決まったわけではない、と言うクレア。そうだよ、あの人結構しぶとかったしさ、と励ますというよりなにげに失礼なことを言ってしまったマキを、クレアがたしなめる。二人の気持ちに慰められ励まされたケイトは、元気を取り戻し立ち上がった。とりあえず部屋の明かりを付けようとしたマキがふと入り口を見上げると、いつの間にか来ていたらしいロディがそっとそこを立ち去った。
正規の軍隊でさえ苦戦するほどの相手とどうやって闘うというんだ、とスコットが机をたたいて怒っている相手はバーツだった。万一のためにだ、そうかっかすんな、と、管制室から帰ってきたロディをつれてバーツは部屋を出た。
基地を出て廃墟を歩く二人。スコットとやり合ったのか、と尋ねるロディに、甘いんだよ、あのおぼっちゃんは、とバーツ。しかし、今は司令部を信用して待つより他はないのでは、とロディ。直後、背後で物音がした。驚いて振り向いた二人だが、音の主はマルロとルチーナだった。あんまり遠くへ行くなよ、とバーツが声を掛ける。はーいと元気よく返事をして、二人は駆けて行った。と、バーツの隣のロディも格納庫へ向かって駆けだした。ただ待っているより、今のうちに使えそうな武器を集めて点検しておく、とロディ。そいつは利口なやり方だ、とバーツも賛同。
格納庫では、ケンツが張り切って武器を集めていた。やっとるな、とバーツが声を掛ける。
一方、マルロとルチーナの二人。マルロがいきなりレディの前でタチションをし出したのを見て、ルチーナはぷいと怒ってどこかへ消えてしまった。それに気づき慌ててルチーナを捜すマルロだったが。
管制室に、第三警戒態勢のアラームが鳴り響いた。グレードマイナス3、物体接近中、プラス40、距離1万二千、高度100、目標飛行物体の識別コードはXU、つまり地球外生物だ。XU23Aタイプ、エラー確率20ppm。進入起動r77をとって接近中、ブラックアウト終了まで8分。基地絶対防衛圏到着推定時間20分18秒。
ケンツが運んできた武器を見て、そんなものどうするんだ、とスコットが言っている。気休めぐらいにはなるさ、とロディ。そこに、敵接近の知らせを持ってクレアが駆け込んできた。動揺する皆(血気にはやるケンツ除く)。司令部からの連絡は、と言うスコットに、丁度そこに来たケイトが首を左右に振った。司令部に緊急連絡する、とスコットが管制室に向かおうとするが、無線は封鎖されてる、とロディはそれを制止。バーツも、向こうでもキャッチしている、うかつに電波を出すと、敵の目標になる、と言う。じゃあ、どうすりゃいいんだ、と頭を抱えるスコットに対し、自分たちで自分たちの命を守るしかないだろうな、とロディ。ショックを受ける子供達。それを奮い立たせるように、ロディの言うとおりだとケイトが武器を手に取った。みんな、銃を持つんだ、と言うバーツに、ちょっと待った、とケンツ。軍隊には、指揮官が要るんだぞ、と言う。それを聞いてケイトを見上げた子供達だが、ケイトは自分には無理だという。そのとき、マキからの館内放送が。もうすぐブラックアウトが終わるという知らせだった。
指揮官やりたい、とケンツが珍しく「遠慮がちに」立候補して、シャロンに笑い飛ばされた。一番年上は誰だ、とバーツ。スコットを見る皆。スコット、君が指揮官だ、とロディ。ケンツは腑に落ちなさそう。本人は明らかに尻込みしているのだが、よし決まった、がんばれよ指揮官、とバーツに宣言され、なし崩し的に指揮官となった。まずはおちびさんたちをどうにかしなきゃ、とクレアが早速フォロー。幼い子供はクレアに一任。あとは配置だ、というロディに力強く(聞こえる)わかった、と答え始めた責任感の強いスコット。
そこに、マルロが泣きながら帰ってきた。ルチーナがいない、という。わたしに任せて、とケイトがルチーナを探しに飛び出した。それを心配げに見送るロディ。僕らは正面だ、とスコットが配置を指示。
ルチーナを捜して廃墟の中を走るケイト。敵は第二防空圏を突破。基地に来るまで、あと7分。
破壊された建物の穴から、外に向かってバズーカを構えるスコット・バーツ・ロディ・ケンツ。どうやって撃つのかわからず使いあぐねるスコットは、こんなもんで応戦できるのか、司令部は一体何やってんだ、とバズーカに八つ当たりしている。と、バズーカから砲弾が飛び出した。ケンツが試しに撃ってしまったのだ。ケイトさん達が外にいるんだ、と怒るロディ。平気だよ向こうの方狙ったもん、とケンツはあっけらかんとしたものだ。
敵の輸送機から、二つの物体が降下してきた。識別コードARV-Cタイプ、戦闘兵器メカ バザム。
緊張を和らげようと?口笛を吹いていたバーツだったが、スコットには余計にかんに障ったようだ。そのとき、マキからの館内放送。バザム襲来の知らせ。どっからでもきやがれ、一発でたたき落としてやる、と強気な事をいうケンツも、さすがに緊張の色を隠せない。そのとき、廃墟の中をマルロが駆けていくのがロディの目に止まった。マルロに追いつき止めるロディ。マルロはルチーナが心配なのだ。ロディは、自分が探しに行く、とマルロに約束。持ち場を離れるな、と言うスコットに、このまま仲間を見殺しにはできない、と言い、廃墟の中に向かった。ロディにマルロを頼むと言われたバーツは、マルロの頭をなでながら、仲間、か、とつぶやいた。
そのとき上空を見上げたバーツの視界に、敵の機影が入ってきた。
持ち場に戻り、地上に降りてから狙えよ、その方が当たる、と言うバーツ。わかってるよ、と勇ましいケンツ。ど、どうしてこんなことになっちゃったんだ、と頭を抱え、未だ吹っ切れない様子の指揮官。
ルチーナを捜すロディの視界にも、敵の機影が見えた。敵は自分たちがここにいることを知っているのか?
ケイトも敵に気付き、建物の影に身を潜める。
当のルチーナは、建物の中で一人、敵の姿におびえていた。後ずさり尻餅を付いた拍子に声をあげてしまい、目の前を横切ろうとしていた敵の足を止めてしまう。恐ろしさで声を上げてしまいたくなるのを、ルチーナは懸命にこらえていた。敵の口から、ニョロニョロとセンサーが伸びてくる。頭の上や足下すれすれをかすめて探索するセンサーを、必死にやりすごすルチーナ。
ビルが邪魔で狙いが付かない、と言うケンツに、マルロが、ルチーナを見失ったのは(敵のいる)あのあたりだ、と言った。驚くバーツ。そこに、管制室に行っていたらしいスコットが、司令部からの連絡はまだだ、どうする、と言いながら戻ってきた。そんなことより、ケイトさんたちを探しに行ったロディを見てくる、とバーツがバズーカを抱えた。無茶だ、というスコットに、半端な連中だが、あいつらは仲間だ、とバーツ。おれも行く、腰抜けにはなりたくない、とケンツ。その二人を見て、ようやくふんぎりがついたか開き直ったか、僕も行く、とスコットが歩み出た。指揮官の奮起に、皆の顔がぱっと明るくなる。足手まといになんなよ、というケンツの言葉にも、生意気言うな、僕はここの指揮官だということを忘れるな、と見違えるようなスコット。
ロディは、やっと見つけたルチーナを抱きかかえて敵のセンサーに銃口を向けていた。なんとかうまく敵の目をやりすごせたようだ。
別の場所から敵の動きを見ていたケイトが、敵の狙いは中央メモリーバンクだということに気付く。
スコットたちも、敵の妙な動きに気付いた。
と、作業していたメカが、スコットたちの気配に気付き、砲撃してきた。見つかったのか、と冷や汗をかくスコットとバーツ。
辺りをひとしきり見回し様子をうかがう敵に、それぞれ息を潜めてやりすごす皆。やがて敵メカ2機は、母船に戻るべく、飛び立っていった。
敵の第二防空圏離脱を喜ぶ管制室。
ルチーナを呼ぶケイトの目の前に、ロディがルチーナを抱いて現れた。ありがとう、ロディ、やっぱり来てくれたのね、とケイト。そこに、武器を抱えて男子3人が現れた(ケンツは弾薬係だったので持ってない)。みんな来てくれたのね、と感謝するケイトに、スコットのやつ、大した指揮官だったぜ、とバーツ。バーツにほめられケイトにもありがとうと言われ、照れるスコット。ケンツもちょっとだけど、スコットを見直したようだ。
一難去って集まった13人。クレアに怒られたときの様子では十分反省している様子のルチーナだったが、今度やったらおしりぺんぺんだぞ、とバーツに言われ、元気よく手を挙げてハーイとお返事。そこへ、ジミーがなにやら重そうな物を運んできた。どうやら武器を集めて持ってきたらしい。はーよく集めたなあ、だけど、ちょっと遅いんだよなあお前の場合、とケンツ。その意味に気付き、顔を真っ赤にして麦わら帽子に顔を埋めてしまったジミーを、ジミーも闘ったわ、とカチュアが優しくフォローした。その通りだ、とうなずく皆。
その夜、管制室でスコットは一人悩んでいた。結局、司令部からは何の入電もなかった。だが、今は待つしかない。司令部が自分たちを見捨てるはずはない、と信じて。
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マキとクレアがケイトを慰めに管制室に行った時、食事を告げに来たはずなんだが、励まされたケイトは「さあ、お仕事よ!」と言っている。お食事…。
映画「宇宙戦争」の一場面が、この回のバザムとルチーナの絡みと非常によく似ている、と一時期話題になった。見てないので引用と思えるほどほんとに似ているのかどうかは知らないが。さて真相のほどは?…下のリンク先へ!
参考:ミューラァlog/SPS-V: ANIMAX-バイファム7話