ストーリー

第2話 緊急発進!傷だらけの練習艦ジェイナス

クレアド星を立ったシャトルがステーションに到着。
クレークは早速ステーションの軍司令に会いに行く。
ロディ・フレッド・ペンチは、センターのミセス・ロビンソンと会うことができたが、他の子供達の姿は見えない。そのあたりを探してくる、というミセス・ロビンソン。心配そうなロディたちに、そこにいたケイトが、大丈夫よ、と声をかける。

司令に会うために一般人立ち入り禁止区域に入ろうとするクレークを、兵士が呼び止める。
軍の嘱託で考古学を担当している、軍司令に会いたい、と言うが、兵士は無理だとにべもなく言う。軍は状況把握のため緊急会議中だった。

ジェイナス艦長が司令と話している。到着していない船(シャトル)は何隻あるのか、一刻も早く出航命令を出してほしい、と要請する艦長。軍司令は、今到着した第一地区(ロディたちのことらしい。ロディの両親がいたのは第三地区だった)からの船が最後で、何の連絡もない。あと2隻来るはずなんだが、と状況を説明する。艦長は、あと30分だけ待つことを約束。
ジェイナスの乗組員の補充は揃ったのかと軍司令が確認すると、総員21名しか集まらなかった、と艦長。驚く軍司令に対し、自分の艦は少し老いぼれてはいるが、外宇宙航行練習艦であるので、たいがいのことはコンピュータにおんぶにだっこすれば、行き先が行程72時間のベルウィック星ならば、なんとか逃げ込めるのではないか、という見込みを話す。
それを受けて軍司令は民間人の乗艦開始を指示。
一人でも多くの民間人を避難させるんだ、一人でも多くの…祈るようにつぶやく軍司令。

ジェイナス号を見て、大きいなあ〜とフレッドは感嘆の声を上げた。急がないと遅れてしまいますよ、と子供達を促すミセス・ロビンソン。
クレーク博士とケイトもジェイナスへ。

ジェイナスに乗船した3人、中の広さにも驚く。格納庫らしく、最新鋭の戦闘兵器が3機並んでいる。すごいなあ、とフレッドが感嘆の声を上げたとき、お前もそう思うだろ?という声が聞こえた。
コンテナの上で戦闘兵器を眺めていた少年は、練習艦ジェイナスに関する知識を披瀝し出した。軍人家系らしく、兄はバイファムのパイロットだという。続けて、バイファムとネオファム、ジェイナスについてのうんちく。そこにミセス・ロビンソンから声がかかる。
乗組員が足りないので大人はお手伝いしないといけない、当分あなたたちとはいられないけど、みんないい子にしてるのよ、とミセス・ロビンソンは言い残し、子供達と別れた。

女性兵士に促され、子供達3人は、広々とした自然の景色の広がる場所に案内された。わーっとフレッドが遠くの山に向かって走って行く。と、いきなり大きな音を立てて何かにぶつかった。壁だ。広がっていると思われた景色は、ホリゾントで、実景ではないという。道に沿って草木は植えられているが、その他は映し出されているもので、24時間を周期に空の色が変化する。乗組員の精神衛生を保つことと、生鮮食料を作る、というのがその目的だという。
ここよ、と促された場所は食堂。そこには、すでに子供達が数人集まっていた。
女性兵士が、最年少と思われる男の子と女の子から話を聞いている。この二人はどうやら家が隣同士らしい。女の子は歳を聞かれて、5歳、と自己申告したが、間髪入れずに脇の男の子から4歳だろ、と横やりを入れられている。いいじゃないのひとつくらい、と背伸びしたいらしい女の子。だめだよちゃんと言わなくちゃ、と今にも諍いを始めそうな二人に女性兵士閉口。
女の子は、ルチーナ・プレシェット、再度歳を5歳といいつのり、んもう、と女性兵士に怒られている。男の子は、マルロ・Jr.ボナー、4歳。
次に名乗ったのは、ちょっとボーイッシュな女の子。マキ・ローウェル、12歳。もうすぐ13歳。
ちょっとクセのありそうな女の子は、シャロン・パブリン。11歳になったばっかし、と言うと、かんでいたガムをふくらませた。
次にロディが、自分と弟をまとめて紹介。ロディ・シャッフル14歳、フレッド・シャッフル11歳。
ペンチ・イライザ10歳、とペンチが名乗ると、この子本が好きなんだ、とフレッドが余計な一言。
その時、あの、すみません、と男の子と女の子が声をかけてきた。両親が連絡船に乗ってなかった、という。そのために今乗船名簿を作っているのよ、と女性兵士が言うと、なるほど、そうですか、そうですね、とちょっと頭硬そうな返答。男の子はスコット・ヘイワード15歳、しっかりして見える女の子はクレア・バーブランド14歳。

そのころ、格納庫にいた少年は、まだバイファムにまとわりついていた。

子供10人と連絡が入っているのに、一人足りない、と乗船名簿を作っていた女性兵士が気付いた。それを聞いていたロディが、格納庫で10歳ぐらいの男の子をみかけた、と教える。家族のことは心配しないで、といい残してその場を離れる女性兵士2人。

知らない子ばっかりね、と不安そうなルチーナ。悪い奴がきたらこれでおっぱらってやるよ、とマルロがおもちゃの銃をかざして励ますが、本気で心細いルチーナの気持ちを却って逆撫で。
それをなんとなく冷めた目で見ているシャロン。窓際に視線を移すと、スコットとクレアが並んで外を見つめている。
スコットが、心配ないさ、大丈夫だよ、とクレアを励ます。しかし、クレアの父親は軍人だった。民間人を守らなければならない立場にいる父親を思い、不安なクレア。
マキはトレードマークの帽子を指でくるくる廻している。
父さんこの艦に乗ってないのかな、と、兄と話しているフレッドの声。乗っていればすぐに教えにくるさ、というロディの言葉を聞かず、僕、聞いてくる、とフレッドが席を立った。ここにいるんだ、というロディに、今のうちにおしっこしてくる、と言い残して食堂を出て行ってしまった。

とうとう、ロディたちのいるこのステーションにもアストロゲーターが迫ってきた。イエロー警戒態勢、グレード2、11時の方向。識別コードXU23Aタイプ、接触まで7分。
その報を受け、軍司令は2隻のシャトルを待たずにジェイナス出航を艦長に命令。ジェイナス出航を全力で援護するため、スペース機動部隊が全軍発進。

その直後、敵からミサイル(らしきもの)が発射される。4弾がステーションに命中。艦長がまだジェイナスに乗船できていなかったが、もう一刻の猶予もないとして、ジェイナス発進が命ぜられる。

ジェイナス艦長たち3人が急ぎジェイナスに向かうが、その途中被弾、戦死。

戦闘の爆音と振動が出航を待つジェイナスにも響く。その最中、おしっこにいった帰り道がわからなくなるフレッド。戻ってこないフレッドを心配するロディ。

宇宙空間では、地球軍とアストロゲーターの戦闘が繰り広げられている。

軍司令からジェイナスへ、艦長戦死の一報が入る。急に艦長の任を受けて驚く中尉だったが、すぐにジェイナスの発進準備に取りかかった。

戦闘と爆撃の中、ジェイナスがドックを離れていく。ステーションを発進。

発進した矢先、後方からアストロゲーターが迫ってきた。ジェイナスの存在に気付いたらしい。グレード3に突入。中尉はラウンドバーニアンの出撃を指示。敵の数は3ないし4。
発進していくバイファムの様子を、窓に取り付いて見ている少年。第三格納庫からの発進だと気付き、うれしげにそこへ向かう。

アストロゲーター(ウグ)とバイファム・ネオファムの戦闘。ウグがラウンドバーニアンをかわしてジェイナスに接近、攻撃。第2格納庫など被弾。被害の合ったブロックを閉鎖・消火活動指示。戦死者も多数出ているようだ。
いまだに戻ってこないフレッドを心配するロディ。

ラウンドバーニアンからの報告を受けて、驚く中尉。回避パターンが読まれている、という。2番機3番機が相次いでやられたのも、そのためだと。にわかには信じがたいことだったが、回避パターンが読まれている前提で、回避パターンをちょっと前にずらし、ラウンドバーニアンに転送。新たに2機発進させ、4機でフォーメーションを組み直すことを指示。
即座に第3格納庫を呼び出し、2機発進を命ずるが、パイロットが1名戦死し、1機しか発進できないという。そのとき、ブリッジにいたオペレーターの一人が、自分はウェアパペットの経験がある、と申し出た。バイファムのマキシ(マ)ムパワーまでの時間をコンピュータのボギーに確認し、フォーメーションの変更(ラウンドバーニアン3機・パペットファイター1機)を伝える中尉。

そのころ、格納庫にいた少年は、第3格納庫に至るエレベータを見つけていた。エレベータの周りは吹き抜け構造になっており、下は底が見えないほど。思わず足がすくみ、手すりによりかかる少年。そこにいきなり爆発の振動が起こり、少年は底なしの吹き抜けに放り出されてしまった。
そのまま真っ逆さまに落ちて行くかと思いきや、少年の体は空中にぷかぷか浮いてしまった。そこだけが、どうやら無重力状態になっているらしい。そのまま浮いているわけにもいかず、空中を必死に漕いで目の前にある壁に捕まろうとする。しかし、そこに触れたとたん、びりびりと電流が走り感電。
ジェイナスのブリッジに警告が響いた。中央リフト無重力バレルに、生命反応。どこのバカだ!と中尉。モニタで映し出すと、そこにはへばって宙に浮いている少年の姿が。民間人を管理していた担当者は、戦闘のため第3砲塔に廻っていた。仕方なく、艦内放送で民間人からスペースワークの経験者を募り、救出を依頼。その放送を聞き、フレッドだと思ったロディは食堂を飛び出した。そこでばったりクレークとケイトに遭遇。
危ないから部屋に戻っていた方がいいというクレークに、ロディが訳を説明する。わかった、とクレークが中央リフトへ向かってくれた。もう安心よ、とケイトがロディに話しかけたそのとき、向こうからにいさーんと声がした。フレッドが半泣きで走ってくる。心配かけやがって、と安堵の表情のロディ。

クレーク博士が無重力バレルで無事少年をキャッチ。おっかなかったよ〜とクレークにすがる少年。
外の戦闘もどうやら収拾がついたようだ。
そのとき、ボギーがまたしても後方からの敵を告げた。数8ないし9、220度を中心に1.8ミル、グレードマイナス1。中尉は、船外にいるラウンドバーニアンとパペットファイターを回収し、ジェイナス発進を指示。マキシ(マ)ムパワーで敵を振り切った。グレードがマイナス3.2になる。敵は追尾をあきらめたようだ。

警報は解除され、艦内点検が始まった。
クレークとケイトは例のもの=遺跡に変化がないか確認するためにカーゴへ。
その途中、ケイトは、異星人が今になって攻撃をかけてくるのはなぜなのかという疑問を口にした。それに対し、クレークは以下のように推測。
ひとつは、地球人が彼らの不可侵聖域(クレアド星)に入ったこと。
もうひとつは、何らかのメッセージか警告を受けていながら、それを軍がもみ消した可能性。
彼らもあれほどの航空機を持つ知的生命体であり、その文明はもしかしたら地球以上かもしれない。
ともあれ、異星人の文明をとく鍵はこれだ、とクレークは遺跡を見つめた。

この戦闘で、軍人・民間人を問わず多数の犠牲者が出た。ミセス・ロビンソンとも、あの時会ったのが最期になってしまった。犠牲者との別れを惜しむ人々。

この時点での乗員総数は32名、うち未成年者10名。

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上の方では何やってたかわからない軍だが、ここに出てくる軍人たちは、民間人を守るため自らの職務に命をかける。そして大人は、軍人民間問わず、自分たちより弱い立場の子供達を守る。こういう、当たり前のことを当たり前だと思ってやっている人たちを描いていることが、すばらしいと思う。
一番機が発進する際、「サイドに…ずれているがかまわないから出してくれ」と言って出て行ったが、もしかしてこれがずれていたから、敵に回避パターンが読まれていても一番機だけは無事だった、ということなんだろうか。
参考:ミューラァlog/SPS-V: ANIMAX-バイファム2話

     

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