バイファム*マニア/sps-v

次に言ったのはケンツのところ。ケンツはトゥインクルヘッドの左肩にマークを描いている最中だった。そのマークがルチーナには ブタにしか見えなかったが、ケンツはクマだという。『第三騎兵師団第六大隊第二装甲中隊レッドベア部隊』のマークだと力説するケンツ。 有名らしいが幼い二人は知るはずない。僕にも何か手伝わせて、というマルロに、今忙しい、邪魔だから他いって遊べ、とケンツはけんもほろろ。 しかし脇にいたシャロンにもブタかいてると思った、と言われ、当初の勢いをなくす。

相手にして貰えなかった代わりに、ケンツのところからマルロとルチーナは密かにマジックをくすねてきていた。

ブリッジでは、ボギーが識別コードXU23Aグレードマイナス1を告げている。今日は4回目なのだが、敵は全然近づいてくる様子がない。 不審がるクルー達。

コードＹＦ4発令。7023号室で火災発生をボギーが告げた。スコットの指示で自動消火システムを動かそうとするフレッドを、 火は出てない、とロディが止めた。誰かが火災報知器を押したらしい。そこにいるやつ、返事しろ！と通信機に向かってバーツが 怒鳴ると、返ってきたのはケンツの声だった。しかしケンツの仕業ではない。警報が鳴ったので様子を見に来てみると、犯人はマルロと ルチーナだったという。

バーツとロディが現場に向かう。すると、途中の廊下の壁が、腰の高さまで一面落書きで埋まっている。言うまでもなく、 これもマルロとルチーナの仕業だ。

廊下の最終地点に、格納庫を発見して驚くロディとバーツ。ニュートロンバズーカだ、と先に来ていたケンツが言う。 ニュートロンバズーカに興味が移ってしまったロディとバーツの二人は、怯えながら謝るマルロとルチーナに気もそぞろな対応。 宇宙船では砲台を廻すと船まで動いてしまうから、パペットで外へ持ち出して使うんだ、とバーツがロディにニュートロンバズーカを説明。 これはおれがもらっちゃお、とバズーカを眺めて密かに不穏な笑いを漏らすケンツ。一方、怒られなかったね、とマルロとルチーナも 無邪気に笑い合うが…。

代わりにスコットから大目玉を食らう。もういいじゃない、ととりなすクレア。落書きのことが残っている、とまだ続けるつもりのスコット。 そこにロディから提案が。あそこはみんなの落書きコーナーにしよう、という。クレアとバーツの賛成を経て、決定。

自分もうちの中を落書きだらけにしたことがある、叱られることがわかっていたのに、きっと誰かにかまってもらいたかったんだろうな、とロディ。 そういうことってある、とクレア。バーツも、ベルウィックの開拓村ではいたずらばっかりやっていた、と言う。するとスコットも、開拓民の子供は みんなそうだ、実は自分も火災報知器のボタンを押して、叱られたことがある、と告白。ええーーと驚く他の3人。

許可を得て、晴れて落書きを楽しんでいたマルロとルチーナを、ケンツは、食事の準備でも手伝ってこい、と無理矢理追い立てる。

シャロンがトゥインクルヘッドに高下駄を取り付けることに成功。ついでにケンツのブタ（自称クマ）をかわいらしく描き直してしまっていた。 勇猛高きレッドベアが、と最初は怒るが、お前に似てかわいいだろ、とシャロンに丸め込まれ、赤くなるケンツ。

ペンチはジェイナスの発進マニュアルの勉強をしながら食事の準備をしていた。自動調理器にビーフシチューの人数「13人」の13を 押したところでマルロとルチーナに話しかけられ、はずみで、もう一度「3」を押してしまい、「133」とセットしてしまう。 そのまま、二人に材料を用意させるはめに。張りきる幼い二人だったが、きらいなニンニクを入れないでおくことは思いついても量の 異常さに気付くはずもない。

ブリッジではボギーが、グレードマイナス3を告げている。「UOは第一防衛権を離脱しました、監視体制は、解除」

これで今日は6回目、とマキ。敵もジェイナスに気付いているはずだが、なぜ戦闘にならないのか。

とそこへ、シャロンからスコットに通信。ケンツが、高下駄入れたパペットの調子を見たいから外へ出る許可をくれと言っているという。 30分だけだぞ、というスコットに、「OK、愛してるよ」とシャロン。その言葉に、あの、あの、とスコットなぜか焦る。

ウェアパペットで外に出た真の目的は、ニュートロンバズーカだった。スコットに黙ってニュートロンバズーカを船外へ持ち出す二人。 憤慨するスコット。そこに、フレッドが走ってくる。「自動調理器から食事が溢れ出てる！」
「今度はキッチンかよ、みんなよくやってくれるよ」とマキ。

調理カウンターと食堂の机を、食事の乗ったトレイを持って何度も往復するクレアとカチュア・ジミー。「なんていじわるなんでしょう、この調理器。 いつまで出るつもり？」（byカチュア）

そこへスコット現れ「どうなってるんだ！」。おちびさんたちに手伝ってもらったらこんなことに、とペンチ。またか、とマルロとルチーナを 叱ろうとするスコット。止めるクレア。

ペンチの背後の自動調理器が、133食完了を告げた。瞬間、自分のミスだった？と悟るペンチ。「本当にきみじゃないんだね」と質すスコットに、 「133」の人数表示を後ろ手にクリアしながら、「わたしはちゃんとセットしました」と言ってしまう。

ニュートロンバズーカで引き続き遊んでいるケンツ。星に向かってバズーカを撃ち放った途端、衝撃でバズーカ本体を手放してしまう。飛ばされ、 ジェイナスのドッキングカーゴに激突しまくるバズーカ。食堂では、激突の衝撃で山と積まれていた食料が、テーブルの上を雪崩をうったように滑ってゆく。 「食料を守れ！食料！」悲鳴を上げるスコット。必死でトレイを押さえる皆。ジミー、テーブルから落ちたトレイ3つを、二本の手と口でナイスキャッチ。

ケンツの野郎ぶっとばしてやる、と言いながら、ドッキングカーゴ内部の損傷を調べに行くバーツとロディ。例の遺跡は無事だった。これには荒れた 土地に植物を再生させる能力があるらしい、と話すロディ。

みんな勝手なことをやらかすので、リーダー役をすることにすっかり自信を失っているスコット。そんな、とスコットをなんとかフォローしようとする カチュア。

ケンツとシャロンがバーツとロディに連れられてくる。「こいつらの処分どうする」とバーツ。「僕はもう怒る気もしないよ」とスコット。スコットを なだめるためにか「あの時もっとよく言っていればよかった」「ガツンといかなきゃ」というみんなの言葉を影で聞いていたペンチは、罪悪感に耐えきれず、 泣きながらその場を走り去る。

食事時。ペンチが席にいない。バーツが、今日の罰として、あと最低五人前食え！とシャロンとケンツに言い渡している。みんなに言いたいことがある、 とスコットが突然立ち上がった。僕はもう、と、リーダーを返上することを言おうとしたとき、艦内放送が。ペンチだった。

自分のミスであることをうち明け、とっさの嘘を謝るペンチ。今までぶりっこしてたのか！許せん！と怒るケンツを、「ペンチはお前と違って 勉強しながら仕事してんだ！」と叱るバーツ。わたしたち、お仕事多すぎるのよね、とクレア。そうだよ！とフレッドも同意する。

ペンチのいるブリッジに集まった子供達。皆はペンチに理解を示した。

そういえば、と先ほどスコットが何か言いかけていたことをバーツが思いだし、その続きを促した。「あれはもういいんですよ、ね、キャプテン」と スコットの代わりにカチュアがフォロー。

ストレスたまりまくりの大きい子供達はディスコ（死語）で踊ってストレス発散。敵の勢力圏内だぞ！と渋い顔をするスコット。

その間ブリッジを守っていた（？）のは、二人の小さい子供達だった。

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※ケンツが「許せん！」。言う割に倍の「許せん」ことを自身やっている（笑）自分のことが棚に 上がるという、最も子供らしい姿である。

※マルロは簡単な文字が読めるらしい。

※カチュアがさりげなく重要な役目を負っている。クレアとはまた違う思いやりというか察しのよさと、決して出しゃばらずにいい加減でフォローできる 頭の良さがある。ククトニアン固有のキャラクターなのかカチュア自身の性格なのか。

※スコットのリーダー返上はこの時は回避されたが、完全に解決したわけでなく、再び別の形で噴出することになる。