ストーリー

第14話 敵のスパイか!?舞いこんだ謎の逃亡者

地球へ行く方法(フライ・バイ)についてマルロとルチーナから説明を求められ、ロディ閉口。そこに徹夜でみっちり当番票を作っていたスコットが都合良く現れる。マルロとルチーナの相手をスコットに押しつけることに成功するロディ。

詩を書いているペンチに、背後からシャロンが近づく。ノートを取り上げ、読み上げながら艦内を走り回ってペンチをからかう。あまりの悪ふざけに、皆からたしなめられる。大したことないのに、女ってこれだから、とシャロン。

グレード0、イエロー警戒態勢。地球の小型救命艇からの救難信号。

呼びかけても応答がない救命艇に、敵の謀略じゃないかとケンツは言う。ロディとバーツが船外に出て様子を探る。中には、男が乗っていた。

大けがを負っている男が、ジェイナスに運び込まれる。運び込まれる途中、目に入ったカチュアを見て驚く男。

ペンチがなぜか男の看護を申し出る。男を見てますます疑いの色を濃くするケンツ。

マルロとルチーナに説明するため、フライ・バイの解説図を、徹夜で作成する生真面目男スコット。

パパに似ている、と看護にいそしむペンチに、一瞬意識を取り戻した男が、「あの子(カチュア)は、いつからここに」と問う。

ブリッジの点検当番なのに寝坊したマキ。それをとがめるスコット。ぶつぶつ言いながら牛乳?をパックのままがぶ飲み。

ペンチが男に朝食を運んできた。部屋の様子を窺うケンツを見とがめ、また衝突。二人が部屋に入ると、男が床に倒れていた。

動こうとしたことで、みなに怪しまれる男。ペンチだけが男をかばう。

しかし、カチュアのことばかりを気にする男に、ペンチが悲しむ。慰めようと自作の詩を持ってきたカチュアを無視し、謝ってきたシャロンと親しげに言葉を交わす。その様子を見て、どうなってんだ、というロディに「男にはわかんねーよ、女の気持ちってのは複雑なんだから」とシャロン。

男からの衝撃的な告白に驚くケイト。と、その場にフレッドが食事を告げに入ってくる。誰も部屋に近寄らせないで、というケイトの言葉をフレッドから伝え聞いた子供達は、男をますますあやしむ。その片隅で、まだフライ・バイの説明を幼児二人にし続ける、苦労人スコット。

グレード2、距離42,000、識別コードXU-06無人偵察機が現れる。敵のレーダー圏に入る前に打ち落とそうと、ジミーとバーツが砲座へ。

廊下に点々と落ちた血痕を発見するロディ。その先には男が。ロディに銃口を向ける。

無人偵察機までの距離1万5千、最接近まで2分26秒、相対速度8.7をボギーが告げる。砲座のコンピュータを操作しながら、苦手なんだよな〜とバーツがぶつくさつぶやく。すると隣のジミーが、見事標的を撃墜。ジミーの意外な特技に目を丸くするバーツ。そこにスコットから、男が逃げようとしている、と通信が入る。

敵が追っているのは自分だ。これから囮になって敵を引き付けるから、その間に逃げろ、と男は言う。彼は、自らの余命いくばくもないことを知っていた。行かないで、と叫ぶペンチに、きみはいい子だ、あの詩はよかった、パパやママに逢いたい気持ちが良く出ている、と話しかける。更に、自分はククトニアン、つまり子供達が敵だと思っている異星人だから、自分がいなくなっても気にすることはない、と告げて、ジェイナスを離脱、交信を絶つ。

男の乗った機が敵を引き付け、レーダーから消えた。複雑な表情で見守る子供達。


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※シャロンの「女ってこれだから」「女の気持ちってのは…」が見事対をなしていてオカシイ。

※「さて、あのひと助かるかねえ」と、マキは結構ギョッとするようなことを言っている。さすがにクレアが、そんなこと言うもんじゃない、とフォロー入れているが、ここは子供らしい残酷さが出た、と捉えるべきなのか。

※徹夜の当番票・寝坊をとがめる・これまた徹夜でフライバイの説明図作成・幼児相手に真剣に解説……このあたりのスコットの性格描写は見事。っていうか……脚本的にもいじりやすいんだろうなこういうタイプ。

※男の名と目的は、今後明らかになる。地球の小型救命艇に乗っていたのは、なぜだろうか。

※それにしても、ペンチが、慰めようとしたカチュアを無視してシャロンとくっつくくだりは怖ろしい。ペンチのキャラクター自体もそうだが、そのリアリズムに。子供らしく感情があけすけなだけなのだが、こういった形ではっきり見せつけられると、ああ、自分にもこういう時代があった、と、思わず背後を振り返りたい気持ちになる。これがこの作品のすごいところ。

     

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